NHK大河ドラマ『真田丸』もいよいよ佳境にさしかかり終幕である大坂夏の陣
に向けて盛り上がってきていますね。真田信繁改め真田幸村が浪人たちでごった
がえす大坂城に入り、徳川家康と雌雄を決すべく戦いの準備を始める段階に
さしかかっています。昨年末から今年の春にかけてこのコラムでも三度ほど
『真田丸』関連施設の紹介を取り上げましたが、長野県上田市や群馬県沼田市
など真田家ゆかりの地には多くの観光客が訪れ大河ドラマのもたらす集客力が
あらためて認識されたようです。
前記のようにドラマでは舞台がすでに大坂城に戻っていますが、ここではまず
それ以前の九度山から訪れてみましょう。真田幸村一家はこの山里に九年間蟄居
していました。幸村の父昌幸は再起の夢半ばにしてここで亡くなっています。
今回のドラマでは実はこの九度山での九年間が幸村一族郎党にとって、もっとも
穏やかで幸せな時期だったのではないか、との見方を示していました。脚本の三木
幸喜さん独特の感性かも知れません。九度山は大阪ミナミのなんばから南海電車で
約1時間、高野山の少し手前にあります。幸村一家が暮らした屋敷の跡地にあると
言われる真田庵は九度山駅から徒歩10分の場所にあります。現在は寺院となって
いますが真田宝物資料館が併設されています。付近には九度山・真田ミュージアム
が開設されており、来年2月末までの公開が予定されています。
 続いて大阪市内の見どころをツマミ食い。
■三光神社
天王寺区の宰相山公園にある神社ですが、神社自体は18世紀初頭に現在地に
移されたものです。元々この一帯の高台は大阪城の出城だった「真田丸」があった
場所とされ、南惣構堀を隔てた大坂城まで繋がっていた真田幸村の抜け穴トンネル
入口が社殿下にあります。しかし逆に徳川方が城攻めのために掘った、との説も
あるようです。
■大坂城天守閣
現在のものは1931年に復元された鉄筋コンクリート造り8階建ての建物
です。秀吉時代の大坂城遺構はすべて地中に埋没されており、現在見ることが
出来る城郭は1620年から9年間かけて徳川氏が再築城した際の遺構です。
■茶臼山
天王寺区茶臼山にある標高26メートルほどの丘ですがまず大坂冬の陣で
徳川家康が本陣を置きました。そして翌年の夏の陣では逆に真田幸村が
ここに陣を置いて徳川方に打って出ました(天王寺・岡山の戦い)
■安居天満宮
真田幸村最期の地と言われています。果敢に家康に戦いを挑んだ
真田軍ですが、あと一歩のところで力及ばず、止むなく退却し、
休憩しているところを越前松平勢に襲われ幸村は無念な最期を遂げました。
享年49歳でした。安居天満宮には「さなだ松」という名の松の木があり、
ここで力尽きたとの伝説が残されています。