8月を迎えいよいよ夏休みの観光シーズン真っ盛りですね。夏の
旅行計画がまだ決まっていない方、九州ドライブの旅はいかがで
しょうか? 西日本高速道路(NEXCO西日本)が震災復興支援のため
発行している「九州観光周遊ドライブパス」を使えばとってもリーズ
ナブルにドライブ旅行が楽しめます。利用可能期間は12月18日
までなので夏休みだけではなく秋の旅にも使えます。
九州外からの旅行者に便利なのは「九州エリア乗り放題プラン」で、
連続する3日間九州内の高速道路が乗り放題になります(旧盆期間
などに一部除外日があります)。申込はインターネットからETC
カード番号や利用開始日を登録する方法で行います。
現在九州全県は高速道路で結ばれていますので、2泊3日でも
様々な観光ルートを考えることができます。でもやはり復興支援
ということもあるので熊本空港に降り立ちましょう。LCCでは
ジェットスターが成田との間を結んでおり、また大手2社以外では
ソラシドエアも就航しています。残念ながら阿蘇山方面はまだ
かなり交通規制がありますので、今回は熊本市内で熊本城天守閣
遠望(二の丸広場から可能です)と水前寺公園(水前寺成趣園、
通常どおり開園中)を楽しんだ後一路高速道路で鹿児島に向かい
ます。ほんとうは御船ICで降り、以前このコラムで取り上げた山都
町の通潤橋に立ち寄りたいのですが、ここも通行規制があって
近づくことがまだ出来ないようです。地震での崩壊を免れた
ことを喜びながら静かに復旧を待ちましょう。溝辺鹿児島空港
ICからは、これも以前空港紀行で取り上げたJR肥薩線の嘉例川駅
までそれほど距離はありません。明治36年に建設された木造駅舎が
今も大切に使われている駅、鉄道ファンならずとも一見の価値が
あります。鹿児島市内に入ったら、時間にもよりますが可能で
あれば仙厳園には立ち寄りましょう。かつては磯庭園と呼ばれて
いましたが、薩摩藩主島津家の別邸跡5ヘクタールの敷地内に
御殿や庭園、反射炉跡、博物館である尚古集成館など見所が点在
しています。筆者はここに来る度に、日本の端であるここ鹿児島から
明治維新の原動力となった人材が輩出されたことに密かな感動を
憶えます。俗に「島津にバカ殿なし」と言われていますが、時代と
世界を見つめることが出来た英明な藩主の下で幾多の人材が
育まれたということなのでしょう。
夕食の前に市電に乗って銭湯に出かけるのもいいもんです。
鹿児島市内にあまたある銭湯、実はほとんどが温泉なのです。
目の前に桜島が噴煙をあげるこの町も、火山の恩恵と災いを
併せ受ける土地柄なのです。夕食でお薦めしたいのは薩摩地鶏
の刺身と、地元ではつけあげと呼ばれるさつま揚げです。
これに芋焼酎を合わせれば言うことはありません。素晴らしい
鹿児島の夜は更けてゆくのです。